コパイバとは
コパイバは、高さ30mにもおよぶ大木です。細長い花序に沿って沢山の小さな白い花と種を内部に格納した莢を持ちます。「コパイフェラ属」には35の種が分類され、その多くは南米の熱帯に分布しています。中央ブラジルに多くみられるランズドルフィア、アマゾン原産のレティクラタやオフィシナリスが一般的で、これら3種類のコパイバが伝統的に利用されてきました。コパイバの利用部位は樹液が中心です。
コパイバ樹液は、揮発性の高いセスキテルペン類や揮発し難いジテルペン類と樹脂の混合物で、樹種や固体により異なりますが、樹液の約15%が精油成分とする報告もあります。
コパイバのフィトケミカル
コパイバ樹液の性質の多くは、セスキテルペン、ジテルペン、テルペン酸などに由来すると考えられ、そこにはカリオフィレン、カラメネン、コパリック酸コパイフェリック、コパイフェロリック、カウレン酸等も含まれます。
これら高貴なファイトケミカル成分のいくつかは、コパイバ特有の成分です。ジテルペンの一種コパリック酸は、コパイフェリック属を示すバイオマーカーとなっています。また、コパイバ樹液は、セスキテルペンの一種β‐カリオフィレンの自然界最高の供給源の一つとして知られています。β‐カリオフィレンについては大麻草由来のCBDとの相互作用も含め、多くの文献で生体恒常性(ホメオスタシス)を健全に維持する上での利用価値が明らかにされています。
コパイバ樹液には、β‐カリオフィレンを始めとする多くのセスキテルペン類が含まれていることから、個々のセスキテルペンについて多くの科学的アプローチが取られてきました。しかしながら、単一のセスキテルペンでは、コパイバ樹液のすべての利用価値を説明することは困難で、コパイバ樹液に含まれる様々な成分がコパイバの機能を促進したり又は抑制するなどして、相互作用的に働いた結果発現していると考えることができます。
