Family (科名)Lecythidaceae
Genus(属名) Bertholletia
Spieces(種名) excelsa
使用部位
ナッツ、シードオイル
伝統的利用法
セレンの供給源として注目
禁忌
ブラジルナツは他のナッツ類と同様敏感体質の方にはアレルギー反応をおこす場合があります。ピーナツ等他のナッツ類にアレルギーを示す方は、ブラジルナッツでも同様のアレルギー反応が現われる可能性があります。
薬との相互作用
ありません
一般名
Brazil nut, castania, castanheiro do para, para-nut, creamnut, castana-de-para, castana-de-Brazil
ブラジルナッツは高さ40~50mになる巨木で、樹齢は500~800年に達します。ブラジルでは"Castanheiro do para"の名で呼ばれ、ブラジル、ペルー、コロンビア、エクアドル、ベネズエラで見ることができます。グレープフツーツ大の実は木質のカプセル(莢)で覆われており、重さは2キロ以上になります。太い枝の付け根に実をつけ、1月~6月に木からジャングルの林冠の間から高さ50mの高さから地面に落下する音はまるで砲弾のようにジャングルに木霊します。莢の中はオレンジのように楔形に部屋に分かれていて、硬い殻に覆われた12~25個のナッツが入っています。成熟したブラジルナッツの木一本あたり、300以上の莢がなります。
ブラジルナッツの海外への輸出は、1600年代にオランダ商人によって開始され、今日では木材に次ぐアマゾンの輸出資源です。年間数千トンのブラジルナッツが輸出されているにもかかわらず、実質的にすべてのブラジルナッツは天然モノです。ブラジルナッツの成長は遅く、実をつけるまで10~30年かかります。また、受粉にはある特別な種類の蜂が介在する必要があります。これらの理由からブラジルナッツは商業ベースでの栽培に不向きであると考えられています。
ブラジルナッツは、植物や動物や昆虫が絡み合うアマゾンの複雑な生態系の象徴的存在と言う事ができます。ブラジルナッツが結実する為にはある一種類の昆虫が媒介する受粉が必要であるばかりでなく、極度に硬い木質で覆われているナッツ莢を食い破ることができるのもある特定の動物だけです。鋭い前歯を持ったアグーチだけが、ブラジルナッツの硬い莢を食い破り、ブラジルナッツの種を熱帯雨林のあちこちに撒き散らすことができる動物です。木と蜂とアグーチが各々依存しつつ生活をしています。
ブラジルナッツの白色の果実は、70%が脂肪で17%がプロテインです。アマゾンの先住民にとってブラジルナッツは貴重な栄養源であり、主要産物だったので、時には貨幣の代用として商取引に用いられることもありました。先住民は、生のままか或はすり潰して粥状にして食していました。ブラジルではソクラテアパームの棘の多い根と一緒にすりおろして作る"レイテ・デ・カスタナ"と呼ばる白いマッシュ状態を作り、それをキャッサバ粉と混ぜて使います。これはアマゾンの地方に住む人々にとってカロリー、脂肪、プロテインの重要な供給源です。
ブラジルナッツには油分の含有が多いので、キャンドルのように火をつけると燃えます。ブラジルナッツから搾り取る油は料理、石鹸、家畜の飼料として利用されています。中身を取り出したからの莢は"猿のツボ"と呼ばれ虫除けの火を持ち運んだり、ゴム樹液の採集、飲用カップとして用いられています。ブラジルの民間医療では、ブラジルナッツの殻を削り煮出してお茶を作り、腹痛薬として利用します。また、樹皮から作るお茶は、肝臓病の薬となります。
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