チュチュワシ(CHUCHUHUASI)
クラボワスカ(CLAVO HUASCA)

Family (科名)ノウゼンカズラ科
Genus(属名) Tynanthus
Spieces(種名) panurensis, fasciculatus


使用部位

蔓、葉、根

禁忌

報告がありません

薬との相互作用

報告がありません

一般名

Clavo huasca, clove vine, white clove, clavohuasca, cip? cravo, cip? trindade.

異名

T. elegans, Schizopsis panurensis, Tynnanthus panurensis

クラボワスカとは

クラボワスカは全長80メートルに達する大型の蔓植物で、アマゾン熱帯雨林を含む南米の熱帯地方に自生しています。小さな白い花(蝶や蜂が受粉する)と細長く平らな豆状の実をつけます。蔓、根、葉からチョウジノキ(クローブ=CLOVE)に似た香りがすることから、『ツルチョウジ』"CLOVE VINE"又は『シロチョウジ』"WHITE CLOVE"という一般名がつきました。蔓を切断するとその断面は、中心部が金・黄色でその周囲を赤茶色が取り囲み、美しいマルタ十字模様がくっきりと浮かび上がります。クラボワスカという名前で2種類のハーブが売買されていますが、一つはTynanthus属の蔓植物で、一つは全く異なるMandevilla属の植物です。

民間伝承的利用法

アマゾン先住民シピボ・コニボ族、カヤップ族、アスリニ族では、クラボワスカを男・女共に効く媚薬として、またインポテンツの治療薬として用いられてきました。また、胃への負担を軽減するため、アヤワスカのレシピとして配合されたり、アヤワスカ煎剤を飲んだ直後に併用することもあります。アヤワスカは、精霊界とつながる目的で先住民が用いる強力なハーブ煎剤で、アヤワスカやチャクルーナを始めとする複数の植物が作り出す相互作用が、幻覚作用を含む意識の拡大をもたらします。クラボワスカ自体には幻覚作用はありませんが、アヤワスカ煎剤にレシピの一つとして加えられたり、併用したりして、作用の調整役として用いられることがあります。
ペルーでは今日でも、クラボワスカを植物療法の一つとして積極的利用していて、主な用途の一つとして媚薬があります。ペルーには男性のインポテンツや女性の不感症・性欲減退向けのハーブフォーミュラの中で特に有名なものが二種類あり、一つは『シエテ・ライーセス』(七つの根)で、もう一つは『ロンペ・カルソン』(パンツ破り)です。クラボヤスカはいずれのフォーミュラにもレシピの一つとして配合されていて、市場の薬草店で販売されているのをよく目にします。また、クラボワスカの蔓からつくるチンキは、関節炎、筋肉痛、発熱に利用されることもあります。根に含まれる樹脂や樹液には、『ユーゲノル』と呼ばれる成分が含まれていて、これは局所的な鎮痛効果を発揮するので、歯痛止めとして利用されることがあります。クラボワスカを媚薬として調製するには、蔓をアルコールで浸出させるのが伝統的に用いられている手法ですが、多くの場合アグアルディエンテと呼ばれるサトウキビでから作るラム酒を用います。ブラジルでは、『シポ・クラボ』と呼ばれていて、これを煎剤として調製して消化促進、腸内ガスの排出、消化不良に用いたり、アルコールチンキが媚薬として用いられています。

活性成分

ブラジルの研究者が行った予備試験によると、『ティナンティナ』と呼ばれるアルカロイド、『ユーゲノル』と呼ばれるタンニン酸、エッセンシャルオイルが発見されています。

生理作用に関するリサーチ

南米における豊富な伝統的利用実績があるにもかかわらず、公表されているクラボワスカに関するリサーチは今のところ存在しません。

使用法

調製 :アルコールチンキ
作用 :媚薬、鎮痛、消化活性、解熱、興奮
適応 :更年期前の女性向け媚薬 、筋肉痛の鎮痛
消化促進剤として胃の落ち着き作用、食欲増進、腸内ガス排出 、男性向け媚薬、インポテンツ
一般的な強壮剤として(肉体全般の強化、バランス調整、リズム調整)
科学的手法により検証された適応: 報告がありません
民間伝承的適応: 鎮痛、媚薬、リューマチ、腸内ガス排出、消化系強壮、筋肉弛緩、強壮全般(肉体全般強化、バランス調整、リズム調整)
注意: 報告がありません
南米では現在でもクラボワスカは媚薬として男性・女性共に広く用いられ、人気があります。特に更年期前の女性に効果があると言われています。(更年期後のリビドー喪失にはそれほど効果がないとも)こうした背景から、欧米でもより多くのクラボワスカ製品が販売されるようになってきました。媚薬として用いる場合の調製法としては、南米で伝統的に用いられているアルコールチンキが最適と考えられます。

利用法

媚薬の場合4:1チンキを1回3~4ミリリットルを1日2回。食欲増進や消化器系のトラブルには蔓や葉の浸出茶を1日1カップ。

クラボワスカに関する引用

"Tynnanthus panurensis (Bur.) Sandw. Bignoniaceae. "Clavo huasca", "Inejkeu", "Clove vine".

クラボワスカの根と茎を刻んでアグアルディエンテに漬け込むと薬用チンキとなり、リューマチに効果があります。発熱には樹脂を使います。恐らくクローブオイルに成分が似ているのだと思いますが、クラボワスカの樹脂を歯痛に効果的に利用することもできます。信じる人がいたり、信じない人がいたり、賛否両論ありますが、アグアルディエンテに漬け込んだクラボワスカの蔓は媚薬になるということです。確たる経験則的な証拠があるわけではありませんが、女性に良い場合もあれば、男性に良い場合もあるし、男女両方に良いとも言われています。

"James Duke, The Green Pharmacy, Rodale Press, 1997 pp 189."

クラボワスカは香りの良い蔓植物で、私が熱帯雨林薬学ワークショップを率いて訪れたペルーアマゾンで天蓋に向かい這い登ってゆく姿をしばしば目にました。最初にワークショップを開催した時の話ですが、参加者の一人が著名なハーバリストで、自らの体験談として語ってくれたのは、クラボワスカチンキには男女共に媚薬効果があるということです。夫人との体験で確認をしたそうです。

"Ethnobotany of the Peruvian Amazon. http://www.biopark.org/Plants-Amazon.html"

クラボワスカは、あのアヤワスカと同じ科に属する蔓性植物です。クラボワスカという名前は、CLAVO=クローブ、爪、HUASCA=蔓という意味で、葉や幹から香るクローブのような豊かな芳香に由来しています。クラボワスカの幹や枝をアグアルディエンテに漬け込んで作るチンキは、媚薬やリューマチ、発熱の薬になると言われています。クローブのような香りを放つ『ユーゲノル』と呼ばれる成分が含有されていて、歯痛止めとして利用されています。クラボワスカは、ペルーアマゾンの強壮剤として知られている『シエテ・ライーセス』(七つの根)や『ベインティウノ・ライーセス』(二十一の根)の基本レシピです。イキトスやベレンの薬草市場で売られています。

"Tim Woodruff, 1995, RHP ETHNOBOTANICAL DICTIONARY"

クラボワスカはアヤワスカの従兄弟にあたりますが、幻覚剤ではありません。リューマチや関節炎に効果があり、枝や幹を刻んでアグアルディエンテに漬け込んで調製します。根には鎮痛効果があり、樹液を直接葉の上に搾り出し、歯痛止めとして用います。

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