Family (科名)Asteraceae
Genus(属名) Baccharis
Spieces(種名) genistelloides
使用部位
全草
伝統的利用法
1日1~4グラムをカプセルやタブレットで。
5グラムのドライハーブを100mlの水で10分間浸出したお茶を1日2~3回。
60グラムのドライハーブを1リットルの水で煮出し、外用として用いる。
禁忌
妊娠期間中、授乳期間中の摂取はお控えください。
カルケージャには血圧を下げる作用があるので、低血圧の方の利用は禁忌です。心臓関連の疾患をお持ちの方や薬を服用している場合は、摂取前に医師へ相談して下さい。
カルケージャは人間や動物の血糖値を下げる作用があることが報告されているので、低血糖症の方は禁忌です。糖尿病の方は、摂取前に医師へ相談して下さい。また、摂取中は血糖レベルのモニターが必要です。
薬との相互作用
抗高血圧薬との相互作用が考えられます。
インシュリンや糖尿病薬との相互作用が考えられます。
肝臓内で代謝するある種の薬のクリアランスを促進する(半減期を減少する)可能性があります。よって肝臓内での代謝が要求されるある種の薬の作用(副作用)を減少する可能性があります。
一般名
Carqueja, bacanta, bac?rida, cacaia-amarga, cacalia amara, cac?lia-amarga, cac?lia-amargosa, cacliadoce, carqueja amara, carqueja-amargosa, carqueja-do-mato, carquejilla, carquejinha, chinchimani, chirca melosa, condamina, cuchi-cuchi, quimsa-kuchu, quinsu-cucho, quina-de-condamiana, tiririca-de-balaio, tres-espigas, vassoura
異名
Baccharis trimera, B. triptera , B. venosa, Conyza genistelloides, Molina venosa
カルケージャは多年生で色は緑。1~2mほどの背丈で、天に向かって垂直に伸び、枝の先端に黄色がかた白色の花をつけます。茎は明るい緑色で平たく、汁気が多くまた肉付きも良くしっかりしています。茎より羽根が生えたかの如く葉がつきます。BACCHARIS属には400種類以上のアメリカ大陸熱帯・亜熱帯地帯に自生する植物があります。ブラジルでカルケージャというと、Baccharis genistelloides, B.tritera, B.trimeraの3つの学名が含まれます。ペルー、ブラジル、コロンビアのアマゾン熱帯雨林やアルゼンチン、ウルグアイ、パラグアイの熱帯地方一帯の湿地帯に多く見られます。ブラジルではBaccharis trinervisとB.gaudichaudianaもカルケージャと呼ばれていて、これらはB.genistelloidesの代用として用いられています。同じキク科に属するB.cordifoliaは家畜にとって毒性があります。
熱帯雨林に住む先住民は数世紀に渡りカルケージャを利用してきました。ハーブ医療におけるカルケージャの用途は1931年にブラジルのビオ・コレア氏により最初に記録されました。同氏の著書ではカルケージャの浸出液が女性の不妊症と男性の性不能症の治療で伝統的に用いられていると記されています(1)。コレア氏はカルケージャは強壮、健胃、解熱の治療特性を持ち、その用途として消化不良、胃腸炎、肝臓疾患、下痢を挙げています。以来、カルケージャはブラジルハーブ医療において、肝臓疾患、胃腸機能強化、肝臓や胆嚢の閉塞症などに利用されています(2)-(5)。ブラジルで発行されているハーブ医療関連の書籍には必ずと言ってよい程にカルケージャが取り上げられていますが、これはカルジェージャが肝臓や胃の不調に良く効くばかりでなく、浄血剤や解熱剤としても効果的であることが長年にわたり実証されてきているからです。ブラジルハーブ医療での一般的なカルケージャの利用用途としては、消化不良、マラリア、糖尿病、潰瘍、喉の痛み、扁桃炎、狭心症などのアンギナ、貧血、下痢、消化不良、水症、泌尿器系の炎症、腎臓疾患、腸の寄生虫、ハンセン病、血液循環の不調において実績があります(6)-(9)。
ペルーでは、ハーブ医療におけるカルケージャの用途として、肝臓の軽い疾患、胆石、糖尿病、アレルギー、痛風、腸内のガス、性病の治療が挙げられます(10)。一般的には単純にカルケージャのお茶が薬湯として用いられることが多く、1リットルの水に2カップの乾燥させたカルケージャを浸し、茶をたて、1日3回食前に1カップずつ服用します。米国のハーブ研究家や自然療法士の間ではカルケージャの有効な利用法に注目が集まりつつあり、消化機能、回腸弁、胃や肝臓機能の強化、栄養強化、浄血作用、腸の寄生虫の駆除、肝臓疾患、貧血、肝臓や胆嚢からの排泄物の一掃などに関する研究が発表されています(11)-(13)。
これまでハーブ医療において記録されてきたカルケージャの特性や利用法は、多くの科学者の研究対象となり、一つ一つ評価されています。H. SOICKEらの研究では、カルケージャの肝臓保護作用に光があてられ、数世紀に渡りカルケーハが多くの種類の肝臓疾患に対して用いられてきた事実が合理的に説明されています。カルケージャにはフラボノイドが豊富に含まれています。オオアザミ(ミルクシスル)含有のシリマリン(苦味成分)のようなある種のフラボノイドには肝臓保護作用があり、ハーブ医療では様々な肝臓の状態に用いられています。カルケージャは南米版オオアザミと言う事ができます。カルケージャには、ケルセチン、ルテオリン、ネペティン、アピ
ゲニン、ヒスピドゥリン等のフラボノイドが最大20%含まれています。1986年にドイツで行われた実験では、生フラボノイド留分とカルケージャ葉・茎エキス(50mg/kg)をファロイジン(肝臓毒成分)を与えたマウスに投与したところ、比較グループのマウス生存率が24%で会ったのに対し、投与グループの生存率が100%でした。この研究グループによると、テストしたフラボノイド中ヒスピドゥリンが80%で最高の生存率を示す一方で、カルケージャエキスやフラボノイド留分全体としての方がある特定のフラボノイド成分単体よりも強力な肝臓保護作用を示したと報告しています。即ち、カルケージャエキスに含まれるフラボノイド以外の成分とフラボノイド成分の相互作用が、カルケージャの肝臓保護作用を一層高めることを示しています(3)。
消化促進、抗潰瘍効果、制酸性については1991年発表の研究リポートでは、ラットの胃酸の分泌を抑え、胃痛に対する鎮痛効果があることが実証されています。この実験では、胃腸の活動過多と酸の分泌を抑制することにより、カルケージャには胃腸の不調を緩和する可能性があると結論付けています(14)。2000年のマウス実験ではエタノールにより誘発した潰瘍にカルケージャ水溶性エキスを投与し、カルケージャの潰瘍誘発防止作用が実証されています。この実験では、マウス体重比2g/kgまでの範囲で毒性が無いことが確認されています。また、カルケージャの鎮痛作用については、酢酸により誘発した腹部収縮が、カルケージャエキス2g/kgの投与により95%緩和したと報告するスペイン研究グループによるマウス実験があります。同研究グループは、カルケージャには強力な抗炎症作用があり、様々なケミカルにより炎症を誘発させる前にカルケージャエキスをマウスに施した場合、70~90%炎症を防止したと報告しています。ここでは、プロスタグラジン(哺乳動物の多くの組織中にある脂溶性カルボン酸;強力なホルモン(様)物質)の生体合成を防ぐことにより、強力な抗炎症作用や鎮痛作用をもたらすことが、少なくとも部分的には説明することができると、結んでいます。nt size="-1">
カルケージャの持つ血糖値抑制効果に関する科学的な研究が始めて実施されたのは1967年で(16)、血糖レベルを下げる効力があることが実証されています(15)。1977年にはジテルペン誘導体と言う素晴らしい植物科学成分がカルケージャに在ることが発見されており(16)、1997年になるとこのジテルペン誘導体には寄生虫の予防や駆除の最大級の効果があるとする研究リポートが発表されています。これはカルケージャが長年にわたり虫下しとして利用されてきた歴史を確認するものです(17)。
また、カルケージャに極めて近い種類であるB. Gaudichaudianaにはジテルベン誘導体が含まれていますが、1994年に発表された臨床実験では癌細胞に対する著しい細胞毒性活動が実証されています(18)。1996年に発表されたRM. GENEによる臨床実験ではカルケージャの持つ抗炎症作用や鎮痛効果、抗腫瘍作用が再び証明されており、カルケージャに高い抗炎症作用や沈痛効果があるのは、少なくとも部分的にプロスタグランジン生合成を抑制する要因となっている為、と報告されています(19)。
最新の研究リポートを見てみると、1999年に発表された研究では初めて抗ウィルス性に着目されています。スペインで行われた実験によると、カルケージャの水により抽出されたエキスが、小胞性口内炎ウィルスとヘルペスシンプレックスIウィルスの増殖を抑制する効果について実証されています(20)。
【出典】
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