ジュルベバとは
ジュルベバは、高さ3m程の小さな木でブラジル北部や南米の熱帯性気候の地域に自生しています。ジュルベバの葉はハート型で、先の部分はスベスベしていますが、下の方はけばだっています。ジュルベバには雄性と雌性の2種類があり、雌性の方が雄性に比べ若干背が高く、葉と実も同様に雌性の方が大きいものをつけます。薬効に関しては、雌雄の間で相違があることはなく、両者とも根と葉には同様の薬効があり、実も雌雄のタイプに関わらず薬用に用いられています。
ジュルベバの薬効
ジュルベバの民間伝承的利用法についてはあまり記録されていませんが、ブラジル国内での医療用途については詳しく調査されています。ブラジル薬局方にはジュルベバが貧血や肝臓疾患用の薬として登録されていて、肝臓や消化器官を刺激する用途で長年に渡り利用されてきています(1)。
1965年にはG.L.Cruz博士が自身の著書の中でジュルベバについて「根、葉、実が強壮剤や充血緩和剤として利用されていて、消化機能を高め、肝臓や膵臓の腫れを抑える効果があり、慢性肝炎、間欠熱、子宮の腫れ、水症の良い治療薬である」と書いています(2)。
ブラジルの医療においては、ジュルベバの葉と根が、強壮、解熱、貧血、丹毒、肝炎、肝臓・膵臓疾患、子宮腫瘍、過敏性腸症候群、慢性胃炎や消化機能の不調などの治療に用いられています(1)-(6)。
ジュルベバの葉を使ったハーブティーは、二日酔いや飲みすぎ・食べ過ぎが原因の消化不良や胃の不調に効果があるとして、ブラジルの家庭では一般的に飲まれています(3)-(5)。
ジュルベバの活性成分
1960年代になるとドイツの研究者によりジュルベバの根、幹、葉に含まれる優れた植物性ステロイド、サポニン、グリコシデ、そしてアルカロイドが発見され、ジュルベバの活性成分に関する研究が発表されるようになりました(7)-(9)。アルカロイドは、幹(0.28%)や葉(0.20%)に対し根(0.25 - 0.96%)に多く含まれていています。肝臓保護作用があることで知られているソラニディンとソラソディンがジュルベバの葉と実に含有されていることが発見されています(11)(12)。ステロイドとサポニンは、根における含有率が特に高く、グリコシドは葉の部分に最も多く含まれています(8)(9)(13)。
ジュルベバの薬理学的特性
ジュルベバの薬理学的特性は、解熱作用、健胃作用、利尿作用、月経促進作用、肝臓保護作用、強壮作用などについて1940年代から研究されてきています(14)-(17)。
ジュルベバの水性エッセンスとアルコールエッセンスを用いた様々な動物実験が行われていますが、血圧を低下させる作用があることが確認されています。
また、猫を使った実験では呼吸を増加させる効果が、ヒキガエルでは強心効果が、またネズミや魚の実験ではジュルベバには毒性がほとんどないことが確認されています。
ジュルベバはとても人気の高い自然治療薬ですが、その使用はほとんど南米に限定されたものです。特に様々なタイプの消化器系の疾患や不調における即効性は、その他の国や地域でも注目されてしかるべき素晴らしい特性と言えるでしょう。
【出典】
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