ルクマとは...
ルクマはSAPOTACEAE属し学名をPouteria macrocarpaといい、ペルーでは、アイスクリーム、ヨーグルト、ムース、プリンなどのデザートに好んで用いられ、老若男女を問わず人気があります。ブラジルではCutite Grande, Curitiba Grande, ベネズエラではNispero Montanero, Purguillo Negroといった俗称で呼ばれています。
ルクマは成木になると高さ10~20メートルに達し、直径10センチ程度の明るい緑色をした果実をつけ、熟すに従い茶色みを帯びてきます。果肉は熟するとやや橙がかった黄色をになり栗のような風味と楓やクヌギの樹液に似た香りが特徴です。また、種は直径2~4センチで、果実1個あたり1個或いは2~3個、また時には入っていない場合もあります。
ルクマの自生地としてははワラルをはじめアヤク-チョ、ワンタ、クスコ、ウルバンバ、カハマルカ、フニンといった山間地帯が有名ですが、イキトスといった熱帯地帯にも自生、栽培しています。
デザートとして人気のルクマ...
ペルーではルクマといえばデザート。街のアイスクリーム屋ではバニラとならんで定番メニューとして定着していて、フレンチやイタリアンレストランでもデザートには必ずといっていいほどルクマのムースがあります。スーパーマーケットに行くと生のルクマはもちろん、アイスクリーム、ヨーグルト、プリンといったルクマ製品が必ずあり、フルーツとして、デザートとの人気の高さを窺い知ることができます。
ペルーを訪問した外国人(日本人も含めて)この味の虜になる人が多いようで、帰国後また食べたいと思うペルーの味覚として、セビッチェ(ペルー特産の海の幸のマリネ或いはペルー版刺し身とも)とともに、このルクマのアイスクリームやムース)があげる人が多いようです。
在日日系ペルー人はこのルクマを大変懐かしがり、彼らを対象に少量ながらですがルクマが日本に輸出されています。また、ペルーの日系社会では日本の食習慣が色濃く残っていますが、ルクマ羊羹なるものもも食されています。
ルクマの味は甘くまったりとしています。栗やカボチャのようなどこか素朴な懐かしさがあり、それでいながら今までにはない新鮮な味なのです。また栄養的にも優れています。
ルクマの栄養価
果実(パウダー)100グラムあたりの含有量
ルクマの薬効
パチャカマック、ナスカといった遺跡から種が多く発掘されている事実からも、ルクマは先史の時代より食物として利用されてきた歴史があることがわかります。現在ではデザート果物としての位置つけが強いルクマですが、食用の他に薬草して使用されているという入植スペイン人による記録が残っています。現在でも下記のような方法で整腸、抗貧血、皮膚病、鎮咳と症状に薬草としても用いられています。
整腸剤
果実の外皮部分を1リットルあたり20グラム煮出し、その煮汁を1日にコップ3~4杯服用。
貧血
熟した果実をそのまま食用する。
皮膚病
枝からとれる樹液を患部に対し1日2回、直接塗り込む。
咳止め
果実の外皮と葉を1リットルに20グラム入れ煮出し、その煮汁を1日コップ2杯を服用する。
【出典】
Plantas Medicinales Nativas del Peru, CONCYTEC 1997, Julio W. Palacios Vaccaro
Cultivo de Frutakes Nativos Amazonicos, Tratado de Cooperation Amazonica 1997, Salvador Flores Paytan
Cien Siglos de Pan, CONCYTEC 1995, Fernando Cabieses.
Virtudes curativas de las plantas, Bibloteca nacional del Peru 1975, Romero Casimiro
Zonas de vidas naturales en el Peru, Instituto Interamericano de ciencias agricolas OEA 1960, Tosi J
Comentarios reales de los Incas, Libreria Internacional del Peru 1959, Garcilazo de la Vega
Historia de la Cultura antigua, Bibloteca Nacional del Peru 1985, Valcarcel L.
Historia del Nuevo Mundo, Sociedad de Biblofilos espanoles 1985,
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