Family (科名) Asteraceae
Genus(属名) Cynara
Spieces(種名) scolymus
使用部位
葉、花
伝統的利用法
葉の蒸らし茶を食後に1日1~3カップ。
1:4アルコールチンキを3~ 4ml。
ドライハーブ粉末をカプセルに入れて1日3~5g。
禁忌
経口摂取については報告なし。生の状態で触ると皮膚の炎症をおこすとの報告あり。
民間伝承的にはアルカチョフラには血糖値を下げる作用があると言われているが、この作用を確認した臨床例の報告はない。糖尿病や高血糖症の治療に用いる場合は血糖値レベルの注意深いモニターが必要。
薬との相互作用
アルカチョフラエキスには血中コレステロール値を下げる作用臨床例や動物実験で確認されている。よって、コレステロールを下げる薬に対し影響を与える可能性がある。
一般名
Globe artichoke, alcachofra, alcachofera, artichaut, tyosen-azami
異名
なし
アルカチョフラとは...
アルカチョフラは世界的に有名なハーブ『アルティチョケ』のブラジルでの呼び名です。アザミの一種で、高さ2m位まで成長し、大きな緑紫色の花をつけます。花弁と花弁と取り囲む肉厚のある緑色の部分は野菜として世界中で食されていて、ヨーロッパや北南米各地で商業生産されています。アルカチョフラは、古代エジプトやギリシャ、ローマの時代から食品としてだけでなく自然薬品としても利用されてきていて、特に古代ローマの時代には祝宴のメニューを飾る貴重な一品でしたが、15世紀以降になるとヨーロッパでは一般的に見られるようになりました。
アルカチョフラの有効成分と効能
アルカチョフラはその苦みのある味覚で人気がありますが、それはアルカチョフラの緑色の部分に在るシナロピクリンやシナリンといった植物化学成分に由来しています。これらの化学成分はセスキテルペン・ラクトンと呼ばれ、活性成分として広く認知されています(1)-(5)。アルカチョフラに含まれる植物化学成分に関する研究リポートの数は多く、特に花よりもむしろ葉に多くの薬効成分が含まれているがわかっています。葉に含まれる生物学的活性成分としては、カフェオイルキニック酸、シナリン、ルテオリン(モクセイ草類の黄色色素)があげられます(1)。アルカチョフラの葉から抽出したエッセンスは胆嚢や肝臓の中の胆汁の分泌を刺激する能力に良い効果があり、肝臓の解毒や血液中のコレステロール値を下げる上でも有効な働きをします(6)。更にアルカチョフラの葉には、血糖値を下げる効果のある成分が含まれています(7)。
アルカチョフラの主要構成成分であるシナリンは、肝臓中の胆汁を作り出す機能を強化したり、胆管の収縮力を高めたりすることに役立つとても高い特性を持っています(8)(9)。動物を使った実験では、12時間の実験時間中に胆汁の流れが60%(10)~400%も上昇するという著しい効果が実証されています(8)。更にアルカチョフラは、肝臓中のコレステロール複合物質の割合が減少し、肝臓や白色脂肪細胞など他の細胞から蓄積されている脂肪に移動性を持たせるなど、アルカチョフラの脂質生産性と抗コレステロール特性が実証されています。また、アルカチョフラは、トリグリセリドなどの血液中の脂肪を減少させる効果があることも知られています。
アルカチョフラと生活習慣病
アルカチョフラは、胆嚢の不調や毒蛇に噛まれた際の治療薬として数世紀に渡り伝統医療において頻繁に利用されてきています(11)(12)。1966年にはアルカチョフラの持つ肝臓の解毒や保護特性に着目した研究が開始され、現在もなお、アルカチョフラの葉が持つ肝臓や胆嚢に対する植物化学的効果に関する研究が続けられています(13)-(18)。アルカチョフラのエッセンスを用いた肝臓病や高コレステロール、腎臓疾患の治療についてフランスで特許が取得されています。今日の自然医療では世界レベルにおいてアルカチョフラは、様々な肝臓や胆嚢不調の治療、腎臓保護、アルコール関連の肝臓病、形成異常症、慢性蛋白尿症(腎臓疾患の症状)、貧血症、動脈硬化症、糖尿病、高コレステロール、腎臓障害の治療に用いられています(8)。
アモール・セコと喘息
アモール・セコの伝統的な利用法の一つに気管支喘息が挙げられますが、この効能に関しガーナのハーブ研究家により興味深いデータが得られています。1977年の臨床実験では、乾燥させたアモール・セコの葉を粉状に砕き、ティースプーンで1~2杯の分量を1日3回毎日気管支喘息患者に投与したところ、ほとんどの患者において症状の改善や喘息の鎮静が見られるという結果が得られています(10)(11)。この効果的な自然治療薬の働きのメカニズムを解明するために、数々の動物実験が行われました。モルモットを使った一連の実験では、アモール・セコの水性或いはエタノール性のエキスを経口摂取したケースでは、過敏性収縮の減少、ヒスタミンにより引き起こされる収縮の干渉、細胞から発生する平滑筋刺激物質の量の減少が確認されています(12)-(16)。アモール・セコの持つ気管支喘息に対する有効な治療薬としての潜在性が明らかになりつつあります。
【出典】
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