スマ(Suma)
スマ(Suma)

南米におけるスマの歴史

南米では、スマは朝鮮人参のような万能薬的か『アダプトゲン』として一般に広く利用されていることから、『Para toda』(英語でFor all thing)や『ブラジル朝鮮人参』といった一般名でも親しまれています。『Para toda』の名付け親でもある熱帯雨林に住むインディヘナの人々はスマを、精力増強や若返りの為の強壮剤や沢山の種類の病気の治療等、様々な用途で利用しており、それは世代から世代へと受け継がれてきています(5)。スマは少なくとも300年以上に渡り、強壮剤、媚薬、精神安定剤や様々な疾病の治療薬 として利用されてきていて、今日においても多くのインディヘナの先住民においてとても重要な民間医療の治療薬として位置づけられています(6)(7)。

『アダプトゲン』(万能薬)としてのスマ

今日のハーブ医療において、スマは『アダプトゲン』として考えられています。『アダプトゲン』とは1947年にロシアの科学者N. V. ラバレフにより考案された単語ですが、次の3つのクライテリアを満たす薬用物質とされています。①体内の生理学的機能において最小限の変調しか来たすものでなければならない②特定の作用ではなく広い範囲での肉体的、化学的、生化学的要因による影響に抗する抵抗力を引き起こさなければならない ③全体的な正常化効果を持ち、いかなる病状も悪化させることなくすべての種類の条件を 改善するものでなければならない。その広範に渡る研究に裏付けられた用途から判断して、スマはこれらのクライテリアに合致しています。
エクアドルのハーブ医療においてスマは、心臓血管システムや中枢神経系統、生殖器系、消化器系の為の強壮剤として考えられていて、ホルモン失調、性的不能症、不妊症、 動脈硬化、糖尿病、循環器系失調、消化器系失調、リューマチ、喘息などの治療に用いられています(8)。
トーマス・バルトマン著『Encyclopedia of Herbal Medicine』(ハーブ医療百科事典)によると、ヨーロッパにおけるスマの利用法として、神経や腺機能の回復、ホルモンシステムのバランス、免疫システムの強化や不妊症、更年期障害、生理の症状改善のために用いられたり、避妊薬を服用した後の副作用を最小限にする為やコレステロール低下、 毒性の中和、病後の回復期に飲む強壮剤などがあげられています(9)。
一方、北南米のハーブ医療でもスマの根が様々な用途に用いられていて、アダプトゲンとして或いは体内の各システムを復調させるための再生強壮剤、免疫刺激剤、『エプスタインバーウィルス病』(癌に関係していると言われている)により引き起こされる疲労感や慢性疲労症候群の治療、血糖値の低減、性的不能症、関節炎、糖尿病、癌、単球 増加症、高血圧、更年期障害、ホルモン失、ストレスの緩和などがあります。治療学的には1日4~5gの服用が良い と報告されています(10-15)。

スマに含まれている優れた植物化学成分

ステロイドに関連した副作用を起こすこと無く筋肉増強や耐久力強化を図る為に、ロシアのオリンピック選手がスマを利用していることから、スマは『ロシアの秘密』と呼ばれています(15)。こういった作用は、スマに大量に含まれている同化作用因としてのベータエクシステロンと3つの優れたエクシステロイド配糖体によるものです(16)(17)。 スマの根がベータエクシステロンの豊富な供給源であることから、その抽出方法の特許が日本で取得されています(18)。
更にシトステロールとスティグマステロールという2つの植物ホルモンも発見されていて、これらの植物ホルモンが発情ホルモンの分泌を助長すると考える自然療法士もいます(15)。

スマに含まれている優れたサポニン

スマの根を栄養学的に見てみると、19種類のアミノ酸、大量の電解質や鉄分、マグネシウム、二酸化珪素、コバルト、亜鉛、ビタミンA, B1,B2,E,K, パントテン酸(ビタミンB複合体)など微量のミネラルが含まれていることが判ります(17)。細胞レベルでの血液に酸素を送り込むスマの特性は、ゲルマニウムの高い含有量にあると言われています。スマの根は11%のサポニンにより構成されています(19)。このサポニンの中には、パァフォシドと呼ばれる優れた化学物質やパァフォ酸、グリコシド、ノルトリテルペンが含まれています。これらサポニンは培養した癌細胞が黒色腫化するのを抑制 したり、血糖値のレベルをコントロールしたりする効能があることが臨床学的にも実証されています(20-24)。スマに含まれるパァフォシドとパァフォシド酸の派生は、抗癌物質として日本で2つの特許が取得されています(25)(26)。

文献からの引用

HERBS OF THE AMAZON Traditional and Common Uses, Dr. Donna Schwontkowski, Science Student BrainTrust Publishing, 1993

スマはその万能薬的効能から「ブラジル朝鮮人参」と呼ばれている。スマは植物学的にはPANAX科に属する朝鮮人参とは異なるが、万能薬的或いは免疫力増強等の効能において朝鮮人参に類似している。ある研究論文では、スマの効能には、免疫力強化や抗腫瘍があると報告されている。また、ホルモンの分泌や神経、筋骨格、消化器官系のレギュレータとして、刺激性或いは抑制性の作用を及ぼすことなく体調を正常化することから、真のアダプトゲンとして分類されている。
スマに含有されている重要な有効成分の一つとしてサポニン・ノルトリテルペノイドがある。ノルトリテルペノイドからはこれまでに6種類の異なったパァフィック酸糖が抽出されています。この内、5種類については培養された黒色腫癌細胞を抑制し、またある種類は血糖値レベルを調節する効能が報告されている。
また、シトステロールとスティグマステロールの2種類の植物性ホルモンもスマに含有されいることが確認されている。
ベータエクジソンというスマに含まれる植物性ステロールは細胞の酸素添加反応を助長する働きがある。
ある栄養学的分析によると、スマには19種類のアミノ酸、大量の電解質、鉄、亜鉛、マグネシウム、コバルト、二酸化珪素、亜鉛、ビタミンA、B-1、B-2、E、K、パントテン酸を含む微量ミネラルの含有が確認されているが、特にゲルマニウム(血液に酸素を送り込む高い働きや免疫強化の効能があるとしてサプリメントに用いられている)の高い含有が特徴的である。
スマは体内のエナジーフローを上昇させる働きがあると考えられている。スマは少なくとも300年以上に渡り、強壮、媚薬、鎮静、潰瘍の治療などの用途で用いられてきている。

Powerful and Unusual Herbs from the Amazon and China, The World Preservation Society, Inc. 1993,1995

ブラジルではスマのことを「PARA TODO」(英語で for all things)と呼ばれ、南米版朝鮮人参として知られている。スマには最大11%のサポニンが含まれているが、サポニンの派生体は抗癌複合体として特許が取得されている。
スマは白血病、関節炎、喘息、高血圧、単球増加症、カンジダ症、低血糖症、エプスタインバー症候群(癌に関係すると言われている)、コレステロール、初期癌などの慢性病の治療に用いられている。女性ホルモンのバランスを調整するなど更年期障害にも効果があると考えられて、男性性不能症候群や女性の性交無欲症、冷感症にも効果を発揮する。

Traditional Uses of Rainforest Botanicals, John Easterling

効能 : エネルギーの増加、免疫強化、腫瘍増殖抑制、血糖レベル調整、ホルモンバランス調整
民間伝承的利用 : スマは体内の酸素量を増加し、エネルギーレベルと免疫力をブーストする働きがある。アマゾン一帯では「PARA TODO」と呼ばれ万能薬として見なされている。ある研究リポートによると、癌細胞の成長を抑制する働きがあることが報告されている。スマの有効成分としては先ずゲルマニウムがあげられ、これは優れた触媒作用と細胞内の酸素量を増加する働きが知られている。長年に渡る臨床研究を通じて、スマは安全且つ効果的な生薬として認識されている。スマはホルモンバランスを整え、細胞レベルでの酸素量を増加させることによりエネルギーを増加させる効能がある。

Prescription for Nutritional Healing, James F. Balch, M.D., Phyllis A. Balch, C.N.C., Avery Publishing Group, 1990

スマは、貧血、疲労、ストレス、糖尿病、免疫力増強などに効果を発揮する。ブラジルでは朝鮮人参よりも強力であるとする報告もあり、一般的には「ブラジル朝鮮人参」として知られている。日本のある研究報告によると、スマの根にはパァフィック酸の含有が確認されていて、癌細胞の成長を抑制する働きがあることが発見されている。

Herbal Treasures from the Amazon, By Dr. Donna Schwontkowski. (A series of three articles published in Healthy & Natural Journal 1994, 1995).

その1 : スマは「ブラジル朝鮮人参」と呼ばれ、免疫力強化、癌細胞の増殖抑制などの効能が知られている。6つのパァフィック酸糖複合体がスマから抽出されていて、その内の5種類において黒色腫癌細胞の成長を抑制する作用が報告されている。
栄養学的には、免疫系の正常な働きに必要不可欠なゲルマニウムの高い含有が特徴的である。また、細胞内の酸素レベルを高める働きや、シトステロール、スティグマステロールの2種類の植物性ホルモンが含有されているので、エストロゲンの生産を助長し、血液中のコレステロールレベルを減じる作用がある。極端な暑さや寒さに対する体の耐性を高める効能があるとの報告もある。
その2 : アマゾンには200,000種以上の薬草が自生していると言われているが、その中でもエストロゲンやテストステロンに極めて類似したホルモンのような複合体を含有している多くの生薬が見つかっているが、これらは生理前症候群(PMS)、更年期障害、流産等女性特有の症状や男性性不能症候群、前立腺炎などの治療に用いられている。
スマは、数あるアマゾン産ハーブの中でも女性特有の疾患に対し最も効果的な生薬の一つと考えられている。その万能薬的効能からブラジルではスマのことを、「ブラジル朝鮮人参」と呼んでいる。スマの効能としては、免疫力強化や抗腫瘍、また、ホルモンの分泌や神経、筋骨格、消化器官系のレギュレータとして、刺激性或いは抑制性の作用なく機能することから、真のアダプトゲンとして分類する研究リポートもある。アダプトゲンの特徴として毎日安全に服用することができること、また刺激性や抑制力をもって作用するのではなく、肉体を正常な状態に戻すように働きかける点があげられる。
スマにはシトステロールとスティグマステロールの2種類の植物性ホルモンが自然な状態で含有されている。これら2種類の植物性ホルモンはフィトエストロゲンと言って、エストロゲンの特徴に非常に良く似通った植物性複合物である。細胞に酸素内への酸素取り込みを助長する働きを持つベータエクジソンはスマに含有されているもう一つの植物性複合物である。マリー・エレン女史は、フィトエストロゲンを含有する複数のアマゾン産ハーブの服用により更年期障害の症状が即効性を持って解消されたことを述べている。フィトエストロゲンは、乳ガン、子宮ガン等女性ホルモンに関連したガンや子宮内膜症に対し有効であることが実証されている。
その3 : 1968年に発表されているオオクニ、オオタケ両博士によるいくつかの研究リポートでは、スマは、ステロイドが持つような悪性のホルモン反応を引き起こすことなく、筋肉増強にプラスに作用することが明らかにされている。1976年迄には、ベータエクジソテロンがスマに在るアナボリックエージェントであるとする研究を根拠に、オリンピック選手肉体強化の目的でスマの使用を始めている。これが後にスマが「ロシアの秘密」と呼ばれる所以となる。
アマチュア運動選手を対象としたある健康調査によると、500mgのスマを1日2回服用すると、トレーニングの如何なる段階においても、運動選手に対しポジティブな影響を与えるという結果が得られている。使用開始から3~5日で所謂「調子が良い」状態を実感し始め、トレーニングセッションをこなして行こうという気力が生じ始める。複数のウェイトリフティング選手は、「スマの服用を始めてから、ヘビーリフティング時に感じる苦痛が軽減された」とコメントしている。このリサーチでは、体重88kgに対し500mgのスマを1日2回12時間毎の服用を推奨している。54日間の調査期間中、11日目~15日目、26日目~30日目、41日目~54日目の期間はスマの服用を中止する期間を設けたが、リポートによると、服用を止めていた期間中でもスマの効果が持続したとされている。

Miracle Medicine Herbs, Richard M. Lucas, Parker Publishing, 1991

免疫強化の効能が知られている生薬は数多く存在するが、その中でもチャパラル、パウダルコ(タヒボ)、スマ(パフィア)が傑出している。スマはエネルギーとバイタリティーを高め、免疫力が弱まることによる引き起こされる考えられている慢性疾患において、ヒーリングエージェントとして大きな力を発揮する。

The Healing Forest, Schultes, R.E, and Raffauf, R.F. Dioscorides Press, 1990

中米から南米の温暖な気候の地域に約50種類のパフィア属植物が自生しているが、中でもP. Paniculataは「ブラジル朝鮮人参」として知られている。P. Paniculataには最大11%のサポニンのが含有されている(Howard-Williams, C. and J. W. Junk, Arch. Hydrobiol. 79 1977)。 これらのサポニンはグリコシド・ノルトリテルペネスであり、その派生からは抗癌複合体として特許が取得されている(Nishimoto, N., S. Nakai et al., Phytochemistry 23 1984)。

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